甲府市横根町にある浄土宗の寺、岩泉山光福寺をぶらり巡礼。甲斐源氏の祖・新羅三郎義光が「後三年の役」に奥州で戦死した人々を弔うために真言宗の寺として1095年に創建、江戸時代に浄土宗に改宗された。昭和39年に建て替えられた本堂は「極楽の荘厳」を表すかのようにきらびやかな飾りつけがされている。
ご本尊の阿弥陀如来を中心にした阿弥陀三尊を拝見。阿弥陀如来坐像は上品上生印(阿弥陀定印」を結び、人々を最上の極楽に導く。脇侍の観音菩薩、勢至菩薩は片膝立ちのポーズ。これはすぐに人々のもとへ向かうという姿勢の表れ。
本堂の裏手には、甲斐国三十三観音霊場の第二十二番札所である「下の堂」がある。お堂は平成9年に新しくされたもの。
お堂の中には厨子に入った聖観音立像が安置されている。聖観音は50年に一度しかお目にかかることができない秘仏。 仏法を護持する持国天と多聞天が脇を固める。玉眼の両天は鋭い眼光で睨む。力強い体つきと装束が素晴らしい仏像と言えるのではないか。
下の堂の脇の石段を110段上り、左に伸びる荒れた山道を進んでいくと現れるのが、第二十一番札所となっている「上の堂」。横根山の岩壁にある窪みにはめ込んだような建物は、鳥取県にある投入堂のような感じ。甲府の町に近いのにこんな場所があるのかとビックリする。
こちらの十一面観音は下の堂の聖観音と同じく50年に一度しか見られない秘仏。次に見られるのは2047年。 扉の前に鎮座するのは、飛鳥時代の修験道の開祖である役行者。山岳修験道の開祖を祀るので、この地域では4月第2日曜にお祭りをしている。
光福寺から青梅街道(雁坂みち)まで1キロの直線道「観音みち」がある。 この観音みちを下っていくと途中通行止めになっているが、山梨英和大学の近くにカフェのゆんたくがあり、たくさんの女性が美味しいランチとおしゃべりを楽しんでいる。
ゆんたくで人気なのは、焼きカレー。チーズと卵でグツグツ熱々のカレーをまろやかな味に。ランチタイムはサラダ、スープ、コーヒーが付いて1200円。3/4サイズ(1000円)にして通常600円のデザートプレートを400円で食べることができる。 秋は牡蠣を使った料理も美味しく、栗を使ったデザートもおすすめ。
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