今日は水中写真家の尾﨑たまきさんにロックオン! 熊本県出身の尾崎さんは、かつて水銀で汚染され、 多くの命が奪われた水俣の海を撮影しています。
きっかけは、1995年頃、水俣湾から汚染魚が 出ていかないように設置され「仕切り網」を 撤去しようとする動きがあった頃、 当時、フォトスタジオでカメラマンをしていた 尾崎さんは海の中がどうなっているのか・・・ 自身の目で確かめようと写真を撮ることを 決意します。
もう魚はいないかもしれない・・・ そんな不安をよそに、 海の中はたくさんの生き物たちが息づく 命あふれる世界が広がっていました。 海の生き物たちは健気に命をつないでいたのです! その姿に「一生水俣の海を撮り続けよう」と 決意を新たにしたそうです。
水俣の海で尾﨑さんが撮影した不思議な生き物、 その名は「ヒメタツ」! タツノオトシゴの仲間で、 2017年に新種登録された魚です。 尾﨑さんは このヒメタツの不思議な生態の撮影にも 成功します。
タツノオトシゴより小さく、体長は10㎝ほど。 頭にある突起が短いのが特徴です。 ヒメタツのひみつ① 恋の季節が到来すると、 卵を抱えたメスはオスのお腹の袋(育児のう)に 卵を渡し、オスが1ヶ月かけて卵を育てます!
ヒメタツのひみつ② 1ヶ月ほど経った夜中1時~4時頃、 卵を育てたオスの袋から1センチほどの 赤ちゃんが飛び出します! 夜中に産むのは 外敵から赤ちゃんを守るためなんだとか。 本当に神秘的ですね。
尾﨑さんは3年前、豊かな海が広がる 水俣の海で撮影されたヒメタツの写真絵本を 出版しています。 ヒメタツや水俣の海の生き物たちの姿が たくさん収められています! ぜひご覧ください。
去年12月、水俣病の被害者となりながらも 明るく、海に感謝しながら生きる家族を 撮り続けたフォトブックも発売されています。 山梨に移住したこれからも 尾﨑さんは水俣の海を撮り続けます!
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