■サイエンス基金受賞者による「なるほどサイエンス」■

平成13年2月23日 掲載

健康な長寿をめざして


県立看護大学 小田切 陽一
(テレビ山梨サイエンス振興基金第10回受賞)

 昨年、厚生省の研究班は「21世紀に向けた健康指標」の中で、平均余命(ある年齢になった人たちが平均してあと何年生きるかを求めたもの)を介護を必要としないで生活のできる期間と、介護を必要とする期間に分けて、前者を「平均自立期間」として公表した。
 山梨県の場合、例えば65歳の平均余命は男女ともに全国の中で5位に位置する健康県であることは知られてきたが、平均自立期間もトップクラスであることがわかった。
 平均寿命が延長した現在、いかに長寿を健康にすごすかということに関心が向けられており、平均余命に占める自立期間の割合(%)を"健康長寿の達成度"として計算したみた。本県では男女とも余命の約90%の期間(65歳の場合)を介護を必要としないで過ごし、さらに高齢となり余命が短くなっても自立期間の短縮は他県に比べて小さい特徴が見られる健康長寿県であることがわかった。
 また、県内の地域特徴をさぐってみると、一世帯あたりの人員が多く、比較的核家族化が進んでいないこと、地域の助け合いの力が強いことなどが要介護率を抑制している要因であることがわかる。
 一人暮らしの老人が年々増加してゆく中、健康長寿県の座をキープしてゆくためには、近隣の高齢者と家族のように生活できる"地域の力"はなによりも健康な長寿をもたらす薬であることを、これまでの疫学研究も示している。