■サイエンス基金受賞者による「なるほどサイエンス」■

平成12年12月22日 掲載

空気は重い


山梨大学 大内 英俊
(テレビ山梨サイエンス振興基金第7回受賞)

 部屋を暖房すると、暖められた空気は軽くなって上昇します。空気が軽くなるといってもどのくらい軽くなるのでしょうか。軽いものの例えに使われる空気の重さとは、どのくらいなのでしょうか。
 実は、空気は意外と重いのです。1立方mの空気を考えてみたください。その重さは地表付近では約2.2kgもあります。信じられますか。紙パック牛乳一リットルの重さは約1kgですから、比べてみるとその重さが想像できます。
 では、大きな風船でも小指一本で動かせるのはなぜでしょう。これは浮力によって説明できます。流体中の物体は、その物体と同体積の流体の重さ分だけ上向きの力を受け、見かけ上軽くなるという、有名なアルキメデスの原理です。このため、私たちは空気の重さを実感できないのです。
 一方、空気は30度暖めると約10%軽くなります。直径10mの熱気球内の空気温度を50度上げると、浮力のおかげで約100kgの荷物を運べる計算になります。空気が重いからこそ、熱気球は人を乗せて大空高く飛べる、ということもできます。