■サイエンス基金受賞者による「なるほどサイエンス」■

平成12年9月1日 掲載

セラミックス電子材料と通信機器


帝京科学大学 栗林 清
(テレビ山梨サイエンス振興基金第9回受賞)

 つい最近まで、セラミックス電子材料は個別素子として電子機器に使用される脇役に過ぎませんでした。しかし、最近ではこれらを薄膜として半導体素子と一体化したり、人工格子を形成することで、新しい機能を持ったデバイスが作れるのではないかと期待されております。
 このため、多くの研究機関で活発な研究がおこなわれています。その例の一つが、セラミックス強誘電体を使った低電圧で動作する不揮発生ランダムアクセッスメモリー(RAM)です。
 不揮発生RAMとは、電源を切っても保存したデータが消えることのない記憶媒体のことです。現在、キロビットレベルでの製品化がおこなわれていますが、最近の研究目標としては、数百メガビットから数ギガビットの容量を持ったこのような不揮発生RAMをICカードやシステムLSIに組み込むことです。
 このような技術は、将来のマルチメディア社会を支える高速大容量の携帯通信機器の能力を飛躍的に向上させ、個人用の買い物、バンキング、医療カルテなど社会システムを大きく変えるものと考えられます。