■サイエンス基金受賞者による「なるほどサイエンス」■

平成12年8月18日 掲載

水晶とIT


山梨大学 垣尾 省司
(テレビ山梨サイエンス振興基金第5回受賞)

 山梨県の特産物の一つである水晶は、古来から神事や司祭に用いられ、また宝石としても珍重されてきました。現在では天然石よりも純度の高い人工水晶が作られており、IT(情報技術)を支える重要な役割を担っています。
 1880年J・キュリーとP・キュリーは水晶に「圧電効果」があることを発見しました。これは水晶に圧力を加えると電気を発生する現象です。逆の現象を「圧電逆効果」といいます。すなわち、電極で水晶をはさんで電圧を加え、+−を交互に変えると伸びたり縮んだりします。+−を変える速さを増していく(周波数を高くしていく)と、ある速さのところで水晶の伸び縮みが急激に大きくなります。これが「共振現象」です。この水晶の振動は、あらゆる物質のなかでも最も正確であり、安定な周波数が得られるため、通信の必要不可欠な電子部品として利用れるようになりました。最近では携帯電話などの移動体通信やインターネットが脚光を浴びていますが、これらのなかで、電波や情報信号を正確に高速で受け渡しするタイミングを合わせるために水晶製品が使われています。IT社会を支えているのは「水晶」なのです。