■サイエンス基金受賞者による「なるほどサイエンス」■

平成12年4月15日 掲載

子どもの権利の発見


山梨大学 山口 亮子
(テレビ山梨サイエンス振興基金第8回受賞)

 人類史上最大の発見は何か? と考えるときに、法的にそれは、人権の発見であると言えるだろう。今日では当然に、人は生まれながらにして人間としての尊厳を持つと考えられているが、それは18世紀後半に発見されたことであり、女性の人権はそれより遅く、さらに子どもの人権は20世紀末にようやく発見されたにすぎない。
 子どもの権利を世界的に承認したのが「国連子どもの権利条約」であり、これは現在191カ国が批准している。これまで子どもは保護の対象であるため、権利は必要ないとされてきたが、この条約は、子どもは権利を持つ主体であることを認め、なかでも、子どもは自らの意見を表明する権利があることを保障したのである。子どもは大人になるまでの奴隷状態(猶予期間)にあるのではなく、今を生きる人間であり、意見表明を通して、自らの人生に参加する権利を持つ者なのである。
 しかし、大人と異なるところは、保護も権利も有する点である。なぜなら、子どもは人間であると同時に、子どもであるからである。