テレビ山梨番組審議会だより

第496回 番組審議会議事要録

開催日時
2020年7月20日(月) 書面提出日
開催場所
書面提出のため会議場所は無し
委員の出席

委員の総数 8名
出席委員数 8名
(書面の提出をもって出席とした) 

【出席委員氏名】
今井  久  委員長
中條  学  副委員長
久保嶋正子  委員
高橋 由美  委員
土屋 幸治  委員
豊前 貴子  委員
松谷 荘一  委員
向山富士雄  委員

【放送事業者側出席者】
原田由起彦 代表取締役社長
金丸 康信 相談役
鈴木 淳郎 常務取締役
松田 俊幸 常務取締役
水石 和仁 報道制作局長
山口 充洋 編成局長
番組審議会事務局

審議事項
「TBSの番組、メディア全般について」
審議、意見の概要
◎TBSの番組全般について
●総じて、見ていて安心感・安定感があるのがTBS系列の強みであり、特徴だと感じる。一方で、情報系番組は多少のマンネリに陥っている印象も否めない。進行や切り口などで新しい流れをどんどん取り入れて、長寿番組を超えた看板番組を作り続けていただきたいし、新機軸の番組制作にも期待したい。

●最近のTBSの番組を改めて分類しながら考えてみると、バラエティや情報といったこれまでの、いわゆるジャンルや番組の構成概念を超えた、制作側の新たな意図を感じることができる。
また、そのことに伴って、細かな視聴者ニーズの把握を基に、その期待に応えるために常に新鮮な発想と、手間暇かけた企画力と構成力、さらにそれに伴う膨大な取材量を見て取れることである。

●ドラマ制作が中断したり、リモート出演といった新たな出演形態も出現するなど、大きな影響を受けることになったが、その一方で、このコロナ禍はステイホームという、テレビ視聴者を増やす絶好のチャンスを生み出すことにもなった。しかしながら、現状は他のテレビ局同様、過去の映像の再編集、再放送が多く、それはそれで大いに楽しめたが、ピンチをチャンスにという発想のもと、他局でやっていたようなリモートドラマとか、若手Dの積極的な活用による実験的番組制作といった、チャレンジングな取組みをもう少し見たかった。


◎ニュースについて
●「Nスタ」を視聴した。山梨県内では、UTYのワイド番組「スゴろく」の中で午後5時50分~6時15分の25分間放送されている。県内話題の合間に全国ニュースが差し込まれる形だが、情報番組とニュース番組のメリハリが付き、相乗効果を上げていると思う。
内容についてだが、まず25分という時間が絶妙だ。集中して見ることができる。その日の夕方まで起きた国内・海外ニュースのエキスが凝縮されており、十分に欲求が満たされる。視聴期間中は新型コロナウイルス、豪雨被害の内容が大半を占めたわけだが、ニュース映像も申し分ないものだった。
●「NEWS23」前半では、まず国内の主要ニュースが報道され、その後に九州地方の豪雨災害と後半ではコロナウイルスがほぼ毎日中心となって構成されると、さらに後半は例えばイタリアの作曲家エンリケ・モリコーネの追悼や香港国安法についてなどに続いてさらに海外トピックやトレンディー情報、スポーツや天気予報などが報道されるという、ほぼ3つのブロックで構成され、視聴者には常にわかりやすい番組の進行である。
また、圧倒的な現地取材量とレポートを多く取り入れ、タイムリーで正確かつリアリティーな情報の発信に努力している様子がうかがえる。
番組がうまく一つの塊としてもまとめられており、主要ニュースはもちろんのこと、短時間で一日の幅広い情報をうまく得られていると感じた。


◎情報番組について
●TBSの混在型テレビ番組とでも言えるような、バラエティや情報番組としてではもはやくくれない、まさに新しい個性の確立に向けた一本筋の通った新たなコンセプトの実現に向けた番組制作への進化と姿勢が感じられた。

●ワイドショー的な番組は作りが各社画一化されているような印象がある。TBSではかつて「はなまるマーケット」という主婦向けに特化した情報番組を制作して、人気を博していた。情報系の番組が飽和状態となっていると感じるだけに、「はなまる」のような他局と一線を画すような番組も、視聴者は求めているのではないかと感じた。

◎ドラマについて
●「半沢直樹」
そうそうたる出演者の顔ぶれで、ストーリー展開もスピーディーで小気味よい。金融業界の裏世界やサラリーマンの嫉妬、権力欲、出世競争、人間の愚かさなどが生々しく描写されていて今後が楽しみである。「やられたらやり返す」「倍返し」などのフレーズがリバイバルしそうである。

●「私の家政夫ナギサさん」
なぜ女子は自動的に家事が上手にできる前提になっているのだろう、と頭をひねることがある。かといって、同業者で家政婦を頼んでいる人もいるが、なかなかその気にもなれない。女性はどんな立場であっても多かれ少なかれ同じような悩みを感じているから、どんな設定であっても、気になるテーマなのではないか。これからが楽しみである。

◎インターネットとテレビについて
●コロナ禍においてネット、特にオンライン会議が急速に普及した。これだけパソコンで動画を見る機会が増えると、当然にTVに目が向かなくなってしまうと感じる。今、TVを付ければコロナと豪雨災害一色、新しいドラマ、スポーツ、話題がなく、TVの魅力が薄れている。
その一方で、コロナによる自宅待機ではテレビなしではいられない家族もいたかもしれない。コロナでTVを囲んで家族団らん、絆が高まった場合もある。それにしてもTVには過去データが恐ろしいほどあるものだと感心した。このデータをネット化して見せていく、TVとネットのコラボが今後ますます進む機会になっていると思う。

●超高度情報化社会だからこそ、フェイクな内容にあふれたネットのニュースや情報に対し、テレビは常に不信感を抱かせないニュース番組作りこそが重要であり、それぞれのテレビ局は番組の顔として、ニュース番組を制作しながら、常に国民に寄り添った制作をお願いしたいものである。

●将来的には分からないが、ネットがより幅を利かせていることは明らかである。このような環境にあって、テレビの役割は何か?改めて考えると、鮮明な画像でリアルタイムで、正確、的確な情報を提供することであると思う。インターネットは、どうしても真実がゆがんで伝わってしまう信憑性に欠けるイメージがある。また、家族等、何人かで食卓を囲んでみるのは、やはりテレビだと思う。 テレビ局として、大いに我々視聴者を楽しませ充実したひとときを提供してほしい。
                                 以上